身体均整法施術における東洋医学的な活用法
東洋医学の基本的な考え方のひとつに、五行説と言われるものがあります。

 これは自然界に存在する全ての物を5つの要素に分類する考え方で、それぞれに

 助け合ったり(相生)、抑制しあったり(相剋)しながらバランスをとっています。

 5つの要素の軸になる物は木・火・土・金・水で、万物がここに分類されます。

 

【相生】の考え方:木は燃えて火を生み出し、火は燃え尽き灰になり土を生み出します。

土は金属を産出し、金属の表面に発生した水分が木を育てます。

それぞれ左隣が「親」、右隣が「子」の関係となります。

【相剋】の考え方:木は土のから養分を奪い、土は水を汚し堰止めます。

水は火を消し、火は金属を溶かし、金属製の道具が木を切り倒します。

それぞれ左の2つ隣から影響を受け、右の2つ隣へ影響を及ぼします。



 ここに人体の「臓腑」や「感情」、「季節」「味」等を分類すると

下記の様になります。



 



前述の表を参考にした考え方の一つとして、『春は肝・胆に影響が出やすい。』

『悪い影響が出た場合、顔色が青くなり、怒りっぽくなったりイライラしたりする。』

『逆説的には怒り過ぎは肝・胆を傷めるとも言える。』

『酸味の食べ物を適度に取ると肝・胆を養生できる。』

『目の病、筋膜(靭帯・腱)の不具合は肝・胆を治療すると改善する。』となります。

 

東洋医学に於ける季節 (下記の他にも諸説あります)

1年=365日を5等分(春、夏、土用、秋、冬)する。【約73日間】

土用は季節の変わり目に4回あるので、73日を4等分する。【約18日間】

 

2020(R3)年度の五季

春:基本的に、立春から土用前日まで。   2月4日~4月15日

春土用:                  4月16日~5月4日

夏:基本的に、立夏から土用前日まで。   5月5日~7月18日

夏土用:                  7月19日~8月6日

秋:基本的に、立秋から土用前日まで。   8月7日~10月19日

秋土用:                  10月20日~11月6日

冬:基本的に、立冬から土用前日まで。   11月7日~(R3) 1月16日

冬土用:                          (R3) 1月17日~2月2日

 

当院では、からだの歪み、不具合を単独の骨格、筋肉等の観点からだけで無く

東洋医学的な考え方である、内臓諸器官、感覚諸器官の相互関連性や季節が人体に

与える影響等を含め、多角的に観察、判断し施術させて頂きます。

たとえば、「腰痛」を訴えてこられる方に『お腹の調子や排尿について』、あるいは

『目や耳の不具合は無いか』と確認をさせて頂きます。

これは「肝」や「腎」機能が弱まる事で「腰痛」が発生する事がある為で

「肝」は「目」や「胆」にも関連し、消化機能低下や眼精疲労を起こす事があり、

「腎」は「耳」や「膀胱」にも関連し、耳鳴りや排尿困難、頻尿、むくみ等を

起こす事があると考えるためです。

 この様な場合、単に「腰痛」を起こしている個所の骨格や筋肉・腱を調整する

だけでは、一度楽になっても暫くすると不具合を繰り返す場合があります。

 

当院では、「肝」や「腎」、「目」や「耳」を併せて調整させて頂く事で「腰痛」が

根本から消失する様な施術を心掛けております。