ところで、最近『副腎疲労《アドレナル・ファティーグ》』と言うキーワードを耳にする事、ありませんか?
副腎は腎臓の上に被さる様に乗っている三角形のような形をした器官で、表層の皮質と中心部の髄質に分けられます。
下垂体、甲状腺、膵臓、卵巣等と同じ内分泌系(ホルモンを出す)の器官で各種ストレスに対抗し副腎皮質からはアルドステロン、コルチゾール、アンドロゲン、副腎髄質からはアドレナリン、ノルアドレナリン 等を分泌します。
位置する場所と「副腎」と言う名前から、腎臓の補助器官のように思われる方もいるかも知れませんが、泌尿器系である腎臓とは内分泌系の副腎は全く別物です。
副腎の機能亢進や低下によって起こる病気としては、クッシング症候群やアジソン病がありますが、副腎疲労とは主にそこまで行く手前の状態を指しています。
仕事や家庭でのストレス、肉体的精神的なストレス、暴飲暴食でのストレス等が掛かると副腎は一生懸命ホルモンを分泌し、健康な状態を保とうとします。
でも副腎も働きすぎると徐々に機能が弱くなり、必要なホルモンを分泌出来なくなってきます。
すると慢性的な疲れ、朝起きられない、頭がスッキリしない、仕事中などに胃が痛くなる、判断力や思考力低下、イライラする、アレルギー症状、便秘、むくみ、冷え性、風邪の症状、精力低下、いわゆる老化現象等、「わけのわからない慢性的な不調」として現れてきます。
これがアメリカのジェームズ・L・ウィルソン博士が提唱された副腎疲労《アドレナル・ファティーグ》の概要です。(詳細は下記文献を参照下さい)
ところで、東洋医学では「五臓」の『腎』に副腎も含んだ考えが一般的です。上記の『腎の機能低下』と『副腎疲労』の症状を比べても、よく似ていると思いませんか?
※ 心身の歪みを改善する事で、自然治癒力を高めると共に「腎」調整で
『わけのわからない不調』&『いわゆる老化現象』の解消を目指しましょう!!
参考文献: *「医者も知らないアドレナル・ファティーグ」中央アート出版社
ジェームズ・L・ウィルソン著、本間良子訳、本間龍介監修
*「しつこい疲れは副腎疲労が原因だった」祥伝社黄金文庫
本間良子著、本間龍介監修
*「若くて疲れ知らずの人は副腎が元気!」マガジンハウス
上符正志著
*「解剖学」第2版 医歯薬出版
(社)東洋療法学校協会編、 河野邦雄伊藤隆造 他著