東洋医学的な健康の指標は、五行説での五臓、五(六)腑等の理論や陰陽論と気・血・水(津液)の考え方です。
【気・血・水】は人体の働きを維持している基本的な要素で、簡単に言えば【気】は生命の維持と活動に必要なエネルギーで、「元気」「気合」「やる気」「気が重い」等として通常会話でも使われるものです。【血】は血液、血流などの事で、体中に栄養や酸素を運搬します。【水】は【津液(シンエキ)】とも呼ばれ、「血」以外で体内にある全ての液体と考えられています。
【気滞】 主にストレスが原因でエネルギーが行き場を失い、充満した状態。
・ イライラ、不眠、腹部膨満、疼痛 等
【気逆】 通常上から下、中枢から末梢に流れるエネルギーが逆流した状態。
・ 頭痛、めまい、吐き気、ゲップ、咳 等
【気虚】 エネルギーが不足した状態。
・ 倦怠感、精神疲労、精力減退、食欲不振 等
【血虚】 血が不足したか、働きが悪い状態。
・ 貧血、髪のパサつき、肌荒れ、ドライアイ、手足の痺れ 等
【瘀血】 血の流れが悪くなり、停滞した状態。
・ 頭痛、肩こり、月経不順、肌のくすみ、目のクマ 等
【湿痰】 津液が過剰となり「湿」へ、更に停滞し「痰」に変化した状態。
・ 冷え性、むくみ、下痢、アレルギー性鼻炎 等
【湿熱】 「湿」が過剰な「熱」と結びつき、停滞した状態。
・ 吹き出物、便秘(出る時は軟便)、ドロリとした目ヤニやおりもの 等
また【五臓】はそれぞれ、【肝】は気・血に、【心】は血に、【脾】は血・水・(気)、【肺】は気・水・(血)、【腎】は気・水に関連し、相互にバランスを取り合っていると考えられています。
【陰陽論】は万物を『陰』と『陽』の二通りに分けて考えるもので、太極図等で描かれ、目にしたこともあるかと思います。
人体に照らすと
【気・血・水】や【臓・腑】も陰陽に分ける事ができます。
ただし陰陽は対象を二分し、比較して初めて存在する物なので、【四季】においては「春・夏」が陽、「秋・冬」が陰ですが、【秋・冬】においては「秋」が陽、「冬」が陰となります。【臓・腑】の【肝・胆】は【肝】が陰、【胆】が陽となりますが、【肝】だけで見ると、働き過ぎ(実証)が陽、働かない(虚証)が陰となります。
例えば、血の不具合症状が出ていて、気の不具合症状もあれば、肝を、水の不具合症状が有れば脾を疑います。肝であれば実証なのか虚証による症状なのかを考え、適切な施術を行います。
身体均整法の12種体型分類(F1~12)にも陰陽が有り、例えば前後型(頭脳型)に区分されるF1≪前屈しやすく、爪先に重心がある≫タイプは【陽】、F2≪後屈しやすく、踵に重心がある≫タイプは【陰】となります。
当院では皆様の主訴をお聞かせ頂き、姿勢のゆがみや体表に現れるサインを確認し、上記のような東洋医学的な観点も考慮した上で、個々に適した施術を心掛けております。